Geicha x Ukicha



2025年5月11日〜12日
🏡 Bridge Studio ブリッジスタジオ(京都)

2025年10月1日
🏡 Oboro、ニュイ・ブランシュ京都の一環として





Geicha 藝茶 


「藝茶(Geicha)」は、トマ・ヴォーティエによって始められた芸術的リサーチであり、詩的かつ治癒的、そしてパラ・キュラトリアルな行為としての茶を探究するものです。茶道の道を引き継ぎつつ、茶を飲むという行為を感覚的・関係的な閾へと移し、瞬間や細部、茶葉や水の質への注意を、ケアを共有する集団的な体験へと変換します。

藝茶は、日本における煎茶サークルや文人の実践から着想を得ています。当初は非公式で親密、詩・書・絵画・古美術といった中国的影響を受けた convivial な集まりでしたが、次第に儀礼化・形式化されていきました。藝茶はこの形式化に逆らい、むしろ自由と開放の精神を取り戻そうとします──茶を美的共有の機会として、また芸術と日常の対話の場として。

その実践は多様な形態を取ります。パフォーマティブな出会い、茶と共に掛け物・生け花・茶道具などの伝統的な要素や現代作品を組み合わせた感覚的インスタレーション、キュラトリアルなオブジェとして再解釈された道具の展示などです。各茶会は、親密な試飲の場であると同時に、身体・知識・作品をつなぐ展示装置にもなります。

さらに、藝茶は生態学的・薬効的な次元を備えています。水の質、茶葉の熟成、淹れ方といった要素が味わいだけでなく心身への効能をも左右するからです。したがって、茶会は単なる美的行為にとどまらず、ケアの実践であり、日常のエコロジーを生きる方法となります。

藝茶を通じて、トマ・ヴォーティエは茶をキュラトリアルなメディウムとして提示します。それは「つながり」「注意」「無常」の芸術であり、感覚と思想の両方を動員し、「共に飲む」というシンプルで深い行為を通じて、一時的な共同体を再構築する試みです。

藝茶の最初のエピソードは、京都のブリッジスタジオで開催され、アーティスト/キュレーターの緑川雄太朗による漂流的な茶実践「浮茶(Ukicha)」が京都で初めて披露されました。二人は共に、茶・香り・記憶・過去のプロジェクトの断片を織り交ぜました。嗅杯を用いた台湾烏龍茶の試飲、現代世界における茶儀式の更新についての対話、そして蕎麦猪口で行う香水のテイスティング──福島現代美術館(MOCAF)の作品や《Scents of Community》といった共同儀礼から得られた香りです。さらに、《Monomi》や幽玄的な《Metapets》の生物たちといった過去プロジェクトの痕跡も立ち現れ、繊細な所作、質感、沈黙が交差する雰囲気が立ち上がりました。