メタペット絵画

展覧会｜福島現代美術館（MOCAF）



展覧会｜アルル国立高等写真学校（ENSP）

2023年3月11日〜？
🏡 福島現代美術館（MOCAF）

2024年9月30日〜12月20日
🏡 アルル国立高等写真学校

2026年2月20日〜23日 🏡 京都アートフェア

Metapets

《Metapets》は、人工知能、詩、デジタルペインティングを融合させたハイブリッドなシリーズであり、テキスト記述から画像を生成するニューラルネットワークとの協働から生まれました。本シリーズは、シュルレアリスムの詩の言語とその予期せぬ表現に着想を得て複雑な指示をAIに与えることで、その限界を探ります。例えばロートレアモンの有名な一句「解剖台の上で出会った毛むくじゃらの動物と異星のクラゲ」の変奏のように。このプロンプトから、偶発的かつ予測不能な「詩的グリッチ」が生じ、人工的無意識──機械独自の夢や幻覚──を想起させます。

生成されたイメージのうち、変容的な性質をもつものを選び出し、心霊的なキメラやアニミズム的な形態を描く架空のベスティアリウムを構成しました。制作は三段階で行われます。① テキストによる指示の生成、② AIソフトでの視覚的編集、③ デジタルペインティングによる再解釈。この反復的プロセスは共著的な営みであり、人間の主観性とテクノロジーの偶然性との対話を体現します。私はAIの「余剰」を扱い、その事故や染みを夢幻的なヴィジョンへと変換します。

この物語はさらにフィクションの次元に広がります。舞台は原発事故地に隣接する地下美術館「福島現代美術館（MOCAF）」──美術館はコレクションを地下のタイムカプセルに埋蔵し、未来のいつか、あるいは決して発見されないかもしれない展示サイクル《ART AFTER HUMAN》を展開します。そこでは自律的に進化するAIが、地上の生物多様性の崩壊に応答する形で、毎年新しい生命体を生成します。放射線がハードウェアに干渉し、そのコードを撹乱します。こうして生まれた「作品＝生物」、すなわち《Metapets》は、2011年の東日本大震災の記憶日にあたる毎年3月11日に儀式として公開されます。

《Metapets》は、人間とテクノロジーの創造のあいだの境界を揺さぶり、AIを芸術的パートナーとして考察します。生成され、再解釈され、変容したキメラたちは、現代のメタファーとして立ち現れます──不確実性を体現し、自然とテクノロジー、現実と想像の境界を溶かしながら。新たな存在形態を生み出すAIの能力と、その限界、そして私たち人類と種としての境界を問いかけるプロジェクトです。

リンク：
Metapets – [MOCAF公式サイト – リンク]
Metapets – [批評テキスト（緑川ゆたろう、トマ・ヴォーティエ） – リンク]

企画・制作：トマ・ヴォーティエ