2022年8月27日〜28日
🏡 中町の家(東京)








Sorry, I have to live 


2019年、フランスの美術館に一晩泊まり、作品との新たな関係性を実験した第一回に続き、2022年8月末、東京・千住の昭和期の古民家を改装したアートスペース「中町の家」にて、展示とパフォーマンスの週末を通じてこのプロセスを再び実施しました。目的はシンプルかつラディカル──展示空間を可能な限り「住む」こと。その家の生活的な過去と、制度化された新しい規則とを同時に扱うことでした。

しかしすぐに制約が積み重なりました。観客への飲食の禁止、就寝の禁止、生き物の持ち込み禁止…。それに応える形で、私たちは「開館時間内にここで生きる」ことを提案しました。キュレーション側から「生きる」とは何かを具体的に定義するよう求められ、私たちは無数の行為をカードに記入しました──観客によって追加されることもでき、来場者が選んで実行することで小さなスコアとして活性化されました。伸びをする、昼食をとる、昼寝をする、踊る、俳句を書く、蚊を追う、庭に水をやる…。

パジャマ姿で布団や日用品(扇風機、遊具、本、刺繍道具、テレビ、流しそうめん機など)を配置し、日常とパフォーマンスが交差するハイブリッドな空間を作り出しました。観客は「訪問者」から「客人」となり、共に行う集団的な行為のレパートリーを形づくるプロセスに参加しました。

《Sorry I have to live》は、伝統的な意味でのパフォーマンスというよりも、参加者たちの感情の移ろいに依存する「感情の天気」でした。展示空間に再び社会性、自発性、共生の次元を取り戻すことを目指し、それはまるで「縁側」のように──家と庭をつなぐしきいで、私的と公共が交差する場所を再生する試みでした。


コンセプト原案: トマ・ヴォーティエ
共同制作: Disconoma(ファニー・テルノ & トマ・ヴォーティエ)