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伝記


トーマス・ヴォティエはアーティスト、研究者、キュレーターです。
建築学校を中退後、パリ国立高等装飾芸術学校の写真・映像学科に入学(2013-2018年)。この間、大学の交換留学で京都を訪れ、研究・創作博士号(2019-2024年)のテーマにするほど魅了されることになる日本の文化に出会う。

トーマスは、作品制作よりもむしろ芸術的実践の可能性を特権化する、芸術の概念を囲い込む限界に関心があり、それを「ディス・ウーブルマン」の概念を通して探求している。この 「 脱作品か」に、彼はもうひとつの中心的な概念、「共有される存在(being-in-common)」あるいは「共にある存在(being-with)」を加えている。このように、彼の断固とした共同作業の実践は、「中間にある」と定義することができる。それぞれの感性(彼自身と彼の遊び仲間の感性)、文化(フランスと日本)、媒体(インスタレーションから映像、パフォーマンスまで)。2016年以降は、アーティストのファニー・テルノとデュオ「ディスコノマ」を結成し、多くのプロジェクトを共同制作している。

社会と環境を活性化するツールとしてのアートの可能性を追求している。この目的のために、彼は共同イベント、空間装置の構築、代替アートスペースのアニメーション化、ドキュメンタリー(写真と彫刻)の制作を行う。その形態は多岐にわたる:
︎ 東京の労働者階級が住んでいた地区に、居酒屋が一時的に復活した (Living Yokocho)、
︎ 茶道にインスパイアされた新しいパラキュレーターの儀式を創造する(Monomi)、
︎ 過疎化の進む農村における、社会的・記録的インターフェイスとしての茶小屋の建設 (Shashin-an)、
︎ キュレーターとして、フランス(Lizières)と日本(Bridge Studio)で、アーティスト・レジデンシープログラムと社会との関わり(メンタルヘルス、エコロジー)が交差する第3位のプロジェクトに参加、
︎ 恋に落ちるための科学的プロトコルの集団実験 (Protocole)、
︎ 福島の土の下に埋められたAIの助けを借りて生成されたデジタル絵画のデザイン (Metapets)、
︎ ある都市の文脈における植物の生命体の記録(Kyojima, l’île d’aujourd’hui ; Transfiguration ; Kyoto Survey)、
︎ 一時的な芸術的ミニコミュニティ(Dés-œuvres de jeunesse)、
︎ など. 

また、フランス(エクス・マルセイユ大学、アルル国立写真学校)と日本(東京藝術大学、京都藝術大学、日本政府の支援)の間で行われた、アートを通したリサーチの博士課程の一環として、言説的な実践を展開している。芸術プロジェクトと並行して、日本で発展してきた社会的コミットメントを持つ芸術形態についての研究も行ってきた。災害(自然災害と文明災害の両方)の歴史と比較しながら芸術の歴史をスケッチしていく中で、「家」という一つの姿が繰り返しテーマとして浮かび上がってきた。震災後の過疎地での再建や復興から、都市の中心部での独立したコミットメント・スペースの設立に至るまで、日本のアーティストたちは、共通するものに関心を持ちながら、異質なアートを顕在化させている。2019年から2024年にかけて、トーマスは美術史、美学、社会地理学の分野を借りながら、アクティビズムと芸術実践の境界で複数のフィールド調査を行い、これらの実践を研究した。

彼のプロジェクトは、京都(Galerie Yokai Soho、Institut Français du Kansai/Kyoto、Galerie Tomo、Villa Kujoyama/ヴィラ九条山、Bridge Studio)、東京(Centre d'art Spiral、ONA Project Room、フェスティバル向島EXPO、Galerie Watowa、BankArt、Mikke Gallery)、フランス(Grand Palais、Galerie Le Huit、La Capela、La Générale)で展示されている、 フランス(グラン・パレ、Galerie Le Huit、La Capela、La Générale、École Nationale Supérieure de la Photographie d’Arles、Fondation d’entreprise Ricard)、多くの機関(国立美術史研究所、フランス国立図書館、京セラミュージアム(京都)、エクス・マルセイユ大学、国立高等専門学校、シテ・インターナショナル・デザール)で議論されている。




コンタクト


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学歴


2023-2026
京都市立芸術大学にてリサーチ・クリエイションによる博士課程。日本政府(文部科学省・MEXT)奨学金支援。

2022-2023
東京藝術大学グローバルアーツ専攻にて研究滞在。日本政府(文部科学省・MEXT)奨学金受給。

2019-2024
エクス=マルセイユ大学 芸術科学研究所(EA 3274)にて、リサーチ・クリエイションによる博士課程「芸術と文学創作の実践と理論」。指導教員:フレデリック・プイヤウド、クレリア・ゼルニク。

論文タイトル:「メディウムとしての家:日本における災害後の芸術実践を探る。復興の美学と脱労働の詩学」。

2018-2019
EUR-ArTeC(大学院研究スクール - 芸術、技術、デジタル、人間的メディエーションと創造)にて大学間ディプロマ。指導教員:イヴ・シトン。

2013-2018
エコール・ナシオナル・シュペリウール・デ・ザール・デコラティーフ(ENSAD)にて写真/映像専攻 修士課程2年目修了。審査員より祝辞を受ける。

2017
指導教員ベンジャミン・デルモットのもと、修士論文「動揺する信仰」執筆。審査員より祝辞を受ける。

2016-2017
京都芸術大学(当時:京都造形芸術大学)にて、写真・現代美術専攻交換留学。指導教員:小野規。

2011-2012
パリ=ベルヴィル国立建築学校にて学士課程修了。




2023
WATOWA ART AWARD 受賞、WATOWA GALLERY(東京)。

2018
オリンパス賞受賞(ENSP、アルル国際写真フェスティバル)。


学術活動と出版物


2024
「メディウムとしての家:日本における災害後の芸術実践を探る。復興の美学と脱労働の詩学」- リサーチ・クリエイションによる博士論文、防衛日:12月17日、エコール・ナシオナル・シュペリウール・ド・ラ・フォトグラフィー(アルル)。

「小屋とバー」- ティエリー・フルニエ主催マスタークラス「環境を通じた創造」にて発表、2月29日、エクス=マルセイユ大学。

2023
「京島、アートフェスティバルと都市再生」- 10月10日、東京藝術大学にて講演。10月21日、カンファレンス発表。

「変容する下町の肖像:隅田向島EXPOとグラスルーツクリエイティブイニシアティブによる京島の保存と再生」- 雑誌『Relations』(東京ビエンナーレ、第15号、10月12日)に論文掲載。

2022
「COVID-19災害の芸術的処理における連続性と断絶(日本の場合)」- 12月2日、LASALLE College of the Arts(シンガポール)、アジア太平洋文化教育研究ネットワーク(ANCER)シンポジウムにて発表・出版。

「関係的な場所を作ることについて:縁側を芸術実践のメタファーとして」- 9月29日、京都市京セラ美術館にて、アーティスト川俣正プロジェクトの一環として発表。

「人新世的実験場としての日本」- 4月14日、エクス=マルセイユ大学、研究会「エコロジカルな視線を脱植民地化する? 芸術と生きものの表象」にて発表。

「アートプロジェクト、クリエイティブシティとスマートシティ」- 3月20-21日、日本文化政策学会第15回年次大会(成蹊大学)にて発表。

2021-2023
「Hyper-local Rooms」- フランス・日本交流150周年記念事業「Saison de la France au Japon」内、2021年・2022年京都・ニュイ・ブランシュにて、参加型リサーチ・クリエイションプロジェクトを企画。

パートナー:エコール・ナシオナル・シュペリウール・ド・ラ・フォトグラフィー(アルル)、京都芸術大学、アンスティチュ・フランセ日本。

2021
「眺めのリテイク」- 3月26日、国際コロキウム「イメージの条件-世界の残余状態を意識するイメージ」として発表、オンライン、エコール・ナシオナル・シュペリウール・ド・ラ・フォトグラフィーおよびアート・イメージ研究センター共催。

「日本におけるアーティストによる空き家再生におけるインフォーマリティのモチーフと可能性」- 2020-2021年Japarchiネットワーク・セミナーにて発表。

2020-2022
ル・マン高等芸術デザイン学校にて、日本の伝統陶芸に関するデジタル構築ワークショップ・講義シリーズを企画(ANR支援プロジェクト「デジタル蕎麦猪口」一環)。
2021年には京都大学での研修旅行・研究会、ならびに現代陶芸センター・ラ・ボルヌでの展覧会を実施。

2020
「リサーチ・クリエイションによる都市植生へのアプローチ:プロジェクト『À travers ma Veduta』(2016-現在)」- 11月25日、国際研究会「美術行為を通じた生きたアーカイブの博物館化:エコロジー的課題」、MSHパリ・ノールにて発表。

「脱労働」と「日本における芸術の復興」- 雑誌『Multitudes』2020年秋号(特別号「分岐のABC」)に二つの項目を執筆。

「In-vivo, base camp #1」- 協働キッチンの設計・共同展覧会の共同オーガナイズ。2月27日、エコール・ナシオナル・シュペリウール・ド・ラ・フォトグラフィー(アルル)。

2019
「大野一雄へのオマージュ、ゴーストストーリー」- 11月13日、フランス国立図書館リシュリュー館、舞台芸術ロトンドにてパフォーマンス。

11月27日、同図書館サロン・ドヌールにて講演。2020年10月、ギュトナー出版社より出版。

「展覧会を住む」- バルバラ・ブライテンフェルナーの展覧会(イル=ド=フランス写真センター)にて、ディスプレイ研究グループ(PSL、EnsadLab)との共同リサーチ実験。5月16日。

「1990年以降の日本における災害再生の芸術的実践:災害の媒介と治癒」- 4月15日、EuR Artec年次コロキウム(パリ第8大学、ジル・ドゥルーズ記念ホール)にて発表。

2018
ブライアン・マスミ、エリン・マニング(SenseLab)とのカンファレンスで、博士論文プロジェクトを発表。10月20日、国立美術史研究所(INHA)、EuR Artec、イヴ・シトン共催。

「生と書きの展示、青年の脱作品プロジェクト」- 12月17日、パリ・国際芸術都市にて、「展覧会を執筆する」コロキウムにて発表。ディスプレイ研究グループ(EnsadLab)、パリ第8大学現代美術メディエーション修士課程、展覧会キュレーター協会(CEA)共催。

展覧会&パフォーマンス


2025
Kyojima no hanafuda ( グループ展)。
3月22日〜23日、Bankart Station(東京)。

Ukicha (グループ展)。
1月10日〜2月2日、Mikke Gallery(東京)。


2024
Ittekimasu/tadaima (個展)。
9月30日〜12月20日、エコール・ナショナル・シュペリウール・ド・ラ・フォトグラフィー(アルル)。

Sélection de Pépito(グループ展)。
11月1日〜4日、銭湯・久寿湯、Artaota。

Monomi #3, avec JN. Mellor Club
(個展・パフォーマンス。
9月28日〜10月6日、Bridge Studio(京都)、Nuit Blanche Kyoto 2024選出、受賞。

Art perfumery  
(グループ展)。
3月11日〜(終了日未定)、Museum of Contemporary Art Fukushima(福島)。キュレーション:緑川ゆたろう
 
Monomi #2, avec Fukusanbussanten
(単独パフォーマンス)。
2月7日〜11日、京都市立芸術大学(京都)。

Les Célibataires, cent ans plus tard ( 賞・グループ展)。
12月16日〜1月28日、Watowa Gallery(東京)。

Scents of Community ( グループ展)。
12月23日〜1月28日、大阪関西国際芸術祭(大阪)。

2023
Monomi #1, avec JN. Mellor Club
(インスタレーション・パフォーマンス)。
12月7日、ヴィラ九条山(京都)。

Living Yokocho
( 個展)。
10月1日〜30日、隅田向島EXPO(東京)。

Kyojima, capital’s island, today’s island, friendly murmurs under the... 個展)。
4月21日〜23日、ONA project room(東京)。

Glitches in Love (共同キュレーション)。
3月25日〜4月4日、東京藝術大学大学美術館。監修:長谷川祐生。

Metapets (個展)。
3月11日〜(常設展)、Museum of Contemporary Art Fukushima(福島)。キュレーション:緑川ゆたろう。

2022-2024
Une niche en commun
(オーガナイゼーション)。リジエール・アートセンター(エポ=ベズ、フランス)。

Shashin-an (共同オーガナイゼーション)。
伊豆(日本)。

2022
What grows, regardless of everything, regardless of us
(グループ展)。
12月3日〜25日、中町の家(東京)。

Sorry, I have to live (パフォーマンス)。
8月27日〜28日、中町の家(東京)。

2020-2023
Digital Soba Choko.
ル・マン高等芸術デザイン学校にて、ワークショップおよび講義シリーズを組織。
日本伝統陶器のコンピュテーショナル構築に関するANR支援プロジェクト。
2021年に京都大学での研修旅行・研究会を実施。
2022年、現代陶芸センター・ラ・ボルヌにて展示。
2023年、国立グラフィックセンター(ルニヴィル)にて展示。

2021-2022
Hyper-local rooms ( 共同オーガナイゼーション、グループ展)。
フランス・日本交流150周年記念「Saison de la France au Japon」内Nuit Blanche。10月2日、エコール・ナショナル・シュペリウール・ド・ラ・フォトグラフィー(アルル)、京都芸術大学(京都)。
 
2020
In-vivo, camp de base #1
(グループ展・共同オーガナイゼーション)。
2月27日〜3月3日、エコール・ナショナル・シュペリウール・ド・ラ・フォトグラフィー(アルル)。

2019
Dés-œuvres de jeunesse - Version Ricard (グループ展)。
11月14日、リカルド・アート財団(パリ)。

Tribute to Ohno Kazuo, a ghost story (リサーチベース・パフォーマンス)。
11月13日、フランス国立図書館リシュリュー館(舞台芸術ロトンド)。

1-minute performance(グループパフォーマンス)。
8月24日、SPIRALアートセンター(東京)。

サリュ (個展)。
7月10日〜8月3日、三軒屋アパートメント(尾道、日本)。

Tea ceremony.
7月4日、個人宅にて、アルル「ロケットの夜」イベント。


Une nuit au musée(グループパフォーマンス・オーガナイゼーション)。
5月16日、イル=ド=フランス写真センター(ポントー=コンボー)。

2018
De lait et de sueur (共同オーガナイゼーション・共同展)。
7月5日、「ロケットの夜」(アルル)。

Dés-œuvres de jeunesse(オーガナイゼーション・共同展)。
6月7日、エコール・ナシオナル・シュペリウール・デ・ザール・デコラティフ(パリ)。

Kairos 001 (パフォーマンス&ビデオ)。
1月19日、4 elements(パリ)。

2017
Chantiers(共同オーガナイゼーション・共同展)。
12月14〜15日、ENSAD(パリ)。

Artifices(共同オーガナイゼーション・共同展)。
3月23日、La Capela(パリ)。

JO HA KYU (共同オーガナイゼーション・共同キュレーション・共同展)。
1月28〜30日、Yokai Sohoギャラリー(京都、日本)。

Kyoto Survey (共同展)。
2月23日〜5日、関西日仏学館(京都、日本)。

2016
Multi(グループ展)。
11月29日〜12月4日、ギャラリーTomo(京都、日本)。

2015
Résistance ( グループ展)。
3月12〜19日、La Générale(パリ)。

Collisions(グループ展)。
3月14〜18日、Galerie Le Huit(パリ)。

BYOB(グループ展)。
2月13日、Galerie Le Huit(パリ)。

2014
Minimenta ( 共同展)。
5月10日〜6月22日、グラン・パレ(パリ)。







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